2014年7月28日月曜日

 
工場の隅に棄てられた部品をダンボール箱に詰め朝4時に起きてフリーマーケットに向かった。
大体フリマというのは日の出前から始まり昼前には終了する。
4,5時間ボーっとするのはおっくうな様な気もするが
ここに来る客は皆、一様に独特の雰囲気を醸し出しているので店番は全く退屈しない。
 
本日も強烈なアイデンテティを放ってられた方がいた。
上半身を脱いだレーシングスーツ腕部分を腰で括るだけの出で立ちだけなら
全く何とも思わないが、足元のレーシングブーツはかかと部分が擦り切れ
中の靴下が丸見えで甲は左右ともガムテープでグルグル巻きにして補修されておられる。
 
ブーツを買い換える余裕が無い方ではない。
 
今、今日の日までアスファルトの上で繰り広げられた凄まじいデッドヒートの数々を
彼はこのブーツを履き続けることにより静かに、しかし力強くアピールされておられた。
 
極めつけはスーツの腰部分にマジックで 湾岸戦士 と。
 
あぁ、僕が未だ足を踏み入れることができない時速300kmの世界が
彼のホームグラウンドなんだと直ぐに合点がゆき彼の愛機とそのチューニングを
延々夢想しているうちに買い込んでおいたビールの6パックとたまたま遊びにきていたチャキくんから頂いた一本を全て飲みつくしてしまった。
 
追加を買いに入り口付近の飲食ブースで順番待ちしていると
NS-1だかTZR50だか乗った客が外品のチャンバーをプリプリいわせながら帰路に着こうとしていた
不可解な感覚が首をもたげ、通り過ぎるところを後ろ姿まで凝視すると
何故かやはり件の彼なのであった。
ナンバープレートもしっかり50cc用だった。
全てが全くわからなくなってしまった。
 
そこからどれだけ呑んだのか、何がなんだか気がつけば日付も変わろうと
しているのに、
ここは残酷なまでにまだ大阪の地なのであった。